Boxにコンテンツを移行する前に、コンテンツを準備するための手順がいくつかあります。 次の手順に従うと、移行の成功率が高まり、コンテンツのコラボレーションや自動化、セキュリティとコンプライアンス、残りの技術スタックとの統合を順調に進めることができます。
移行のプランニングの際は、次の手順に従うことを検討してください。
- Boxに移行するコンテンツを特定する
- 移行の要件を定義する
- 移行するコンテンツを準備する
上記の作業を完了すると、Box Shuttleまたは別の移行オプションを使用した移行が簡単になります。
Boxに移行するコンテンツを特定する
まず、コンテンツを使って作業するすべてのチームについて検討します。 現在コンテンツが存在するすべてのソースツールを洗い出します。 コンテンツの量、具体的にはコンテンツのボリューム (ギガバイトまたはテラバイト単位) と、可能な場合はファイル数を把握する必要があります。 このコンテンツにラベルを付ける方法を模索します。たとえば、アクティブとアーカイブ、個人用と部門用、社内向けとクライアント向け、などです。 これは、先に移行すべきコンテンツの優先順位を決めるために十分な情報にする必要があります。
次の質問は、アプローチを判断する材料となります。
- 貴社のBoxプログラムの具体的な目的は何か?
- 移行のタイムラインに影響する今後の期限にはどのようなものがあるか?
- この移行においてどの状況を成功とみなすか?
一般的なヒント:
- コンテンツと構造化データ: Boxはコンテンツの共有とコラボレーションのためのプラットフォームです。.PSTファイル、データベース、その他の構造化データのBLOBなどのバックアップ用としては適切なツールではありません。 多くの場合、これらのタイプのファイルには、従来のバックアップシステムの方が適しています。
- プロジェクトの細分化: 移行する必要があるすべてのコンテンツを評価する際は、ボリュームを複数の段階またはプロジェクトに細分化することを検討します。 アクティブコンテンツに対するアプローチは、アーカイブコンテンツに対するアプローチと異なる場合があります。また、さまざまなチームまたは部門によって要件が異なることもあります。
- タイムラインの計画: デジタル変革は一夜にして成し遂げられるものではありません。同じことが、規模を問わずコンテンツ移行プロジェクトにも言えます。 カレンダーで開始日と終了日を決めるだけでもよいですし、マイルストーンのあるガントチャートなどの詳細な期限を設定しても構いません。
移行の要件を定義する
一部の移行は、ある場所から別の場所にフォルダを移行するだけなので簡単です。 それ以外の移行は、それほど簡単ではありません。 移行は多くの場合、コンテンツ自体とともに関連するビジネスプロセスを移行することになります。 そのため、コンテンツの現在の保存場所にかかわらず、そのコンテンツにアクセスできるユーザーが存在し、移行後にそのアクセス権の再適用が必要になる場合があります。 または、ソースコンテンツに接続するサードパーティ製アプリケーションが存在するかもしれません。このような統合は、再作成または再検討する必要があります。
次に、いくつか考慮すべき要件を示します。
- 権限: 移行範囲内のすべてにアクセスできるユーザーのグループが1つだけ存在する場合、権限の再作成はかなり簡単です。 しかし、フォルダ構造のさまざまなレベルで、細かな権限を持つグループが複数存在する場合、移行対象のコンテンツへの権限の適用にはより多くの労力がかかります。
- コンテンツのアーカイブ: 長年使われているソースシステムの場合、既存のコンテンツが重複または陳腐化していることがあります。 この移行をクリーンアップの機会と捉え、アーカイブコンテンツに対応したBoxのフォルダ構造を作成し、場合によってはコンテンツを削除して移行の範囲からも除外できます。
- コンテンツの再編: レガシーシステムからの移行は多くの場合、長年使われてきたツールからの移行を意味します。 コンテンツ用に元々設計されていたフォルダ構造が、現在の仕事の進め方に照らして最善の整理方法ではない可能性があります。 最善ではないフォルダ構造を移行するのではなく、Boxで効率よく作業するためにコンテンツを再編する良い機会かもしれません。
- カスタムメタデータ: サードパーティツールとの接続に使用する、検索エクスペリエンスを改善するなど目的を問わず、ソースコンテンツにはBoxに移行する必要があるカスタムメタデータが存在する場合があります。 これは、SharePoint、FileNet、Documentumなど、レガシーECMツールで一般的に使われています。
移行する必要があるコンテンツを特定し、要件を定義すると、移行にかかる労力のレベルがわかるはずです。 Boxにコンテンツを移行するためのさまざまなオプションをご確認ください。 移行チームには、この移行を実行するためのツール、帯域幅、リソースがありますか? 必要なリソースが不足している場合は、Box Shuttleが無料または有料で、セルフサービスから上級の管理対象移行サービスまで、幅広いソリューションをご用意しています。 アカウントチームは、採用すべき移行パスを特定するためのリソースにもなります。
移行対象のコンテンツを準備する
幅広い移行の要件以外に、Boxへの移行に特有の、ファイルまたはフォルダに関する設計上の制約がいくつかあります。 次の考慮事項を確認して、移行するデータにあてはまる制約を見極めてください。 移行対象コンテンツの準備方法の詳細については、「Boxへのアップロードのトラブルシューティング」を参照してください。
ファイルとフォルダの名前変更
すべてのコンテンツ管理システムが同じように機能するわけではありません。 フォルダ名について、Boxでは次の点を考慮する必要があります。
- 同じ親を持つ2つのフォルダに同じ名前を付けることはできません。 たとえば、「Magical Creatures」フォルダ内に作成できる「Unicorn」フォルダは1つだけです。
- ファイルやフォルダの名前の先頭にスペースは使用できません。 「 Narwhals」のような名前は「Narwhals」に変更する必要があります。
また、Windowsでファイル名の特定の文字をサポートしていない場合、Box Drive経由でそれらのファイルを操作したときに問題が発生する可能性があります。 Windowsのファイル名制限のリストを参照してください。 次に、いくつか考慮事項を示します。
- フォルダ名は100文字を超えないようにしてください。
- ファイルパスは255文字以内にしてください。
- フォルダ名にバックスラッシュ (\) またはフォワードスラッシュ (/) が含まれていないことを確認してください。
サイズが大きなファイル
アカウントの種類に応じて、特定のファイルサイズの上限があります。 Boxにアップロードできる最大ファイルサイズをご確認ください。 このサイズの上限を超えたファイルはBoxにアップロードできません。 ファイルを圧縮するか複数の小さなファイルに分割することで、この問題を回避できる場合があります。 ただし、この手順はファイルの移行を試みる前に完了する必要があります。
リンク付きのファイル
財務チームなど一部の事業部がリンク付きのスプレッドシートを活用していたり、設計チームが異なるファイルをリンクするプログラムを利用したりしていることがよくあります。 このようなリンクは通常、ファイルのパスを使用して別のファイルを参照しています。 移行中にそのファイルのパスのフォルダ名が変更されたり移動されたりすると、リンクが切れてしまいます。 しかし場合によっては、パスにドライブ文字やサーバー名からの絶対パスが含まれているため、ファイルを新しいシステムに移行しただけでリンクが切れる可能性があります (たとえばファイルサーバーの場合)。
Boxでリンク付きのファイルを使用することは可能ですが (Box Driveフォルダのデフォルトの場所の設定がこの解決方法の重要なポイントです)、これらのリンクを機能させるには、リンクを更新してBox内の新しい場所を反映させる必要があります。
移行対象のコンテンツに大量のリンク付きファイルが含まれており懸念がある場合は、Box Shuttle Managed Servicesと連携して移行プランをまとめることをお勧めします。 また、このようなリンクの一括更新を支援できるBoxパートナーをアカウントチームがご紹介することもできます。
規模に関する考慮事項
大量のコンテンツをBoxに移行すると、Boxのパフォーマンスとスピードを維持するためのガイドラインに違反する可能性が高まります。 これは製品の厳密な制限でなく、最大のパフォーマンスでBoxを実行するための推奨事項です。
- 1フォルダの項目数の上限は、15,000です。 これにはサブフォルダのコンテンツは含まれません。1フォルダの直下にあるファイルまたはフォルダのみの数です。
- 1ユーザーの項目数の上限は、1,000,000です。
このガイドラインについてご不明な点がある場合、詳細については、アカウントチームまでお問い合わせください。