Googleドライブの移行エラーの多くは、ファイル、フォルダ、Googleドキュメントに適用された特定のメタデータプロパティ、テナント内の複数の場所にある同じIDの重複したファイル、レート制限エラーなど、Googleドライブ固有の特性に関連しています。以下のセクションでは、Google固有の問題とその背景について説明します。
メタデータ、所有権、権限に関するエラー
No permission to download a file (ファイルのダウンロード権限がありません)
このエラーは通常、次のシナリオで発生します。
- ファイルが、ドメインリンクまたはドメイングループを介してユーザーと共有されます。
- ユーザーがこのファイルを自分の/My Driveにマウントします。
- ユーザーには、ファイルをダウンロードする権限がありません。 これは、閲覧者権限またはコメント投稿者権限のACLが原因である可能性があります。 また、ユーザーには、権限を一覧表示するためのアクセス権限がない可能性もあります。 そのため、Box Shuttleでは、ファイルへの書き込みアクセス権限がユーザーにあるかどうかを認識していません。
Failed to export file size (ファイルサイズをエクスポートできませんでした)
GoogleドキュメントおよびGoogleスプレッドシートでは、以下のエクスポートエラーが発生する可能性があります。
- Googleドキュメント: Failed to export file size: Forbidden (ファイルサイズをエクスポートできませんでした: アクセス不可)
- Googleスプレッドシート: Failed to export file size: Bad request (ファイルサイズをエクスポートできませんでした: 無効な要求)
根本原因は同じです。
- Googleファイルが、そのファイルのエクスポート権限がないユーザーと共有されています。 これは、読み取り専用のドメインリンクを介して共有されているGoogleファイルでよく発生します。
- ユーザーがそのファイルを自分の/My Driveにマウントします。
- Box Shuttleがファイルをエクスポートしようとしますが、 Googleから403エラーと上記のメッセージが返されます。
ファイルの所有者にはエクスポート権限があります。 所有者は、多くの場合、/My Driveディレクトリに同じファイルを置いています。 この場合は、権限エラーが発生することなく、このアカウントを使用してファイルをエクスポートできます。
また、Failed to export file size: Forbidden (ファイルサイズをエクスポートできませんでした: アクセス不可) エラーは、停止中のユーザーの名前空間からGoogleドキュメントを転送する際にも発生します。
File not found (ファイルが見つかりません)
このようなファイルには、主に以下の2つの特徴があります。
- ソースアカウント (つまりファイルの所有者) が名前空間ID (ファイルの場所の名前空間) とは異なる。
- Googleのcapabilities_canMoveItemOutOfDriveフィールドがfalseに設定されている。
この名前空間のユーザーには、現在の場所である/My Driveからファイルを移動する権限がないため、ファイルを転送できません。 この問題は、所有権の侵害を修正することにより解決する場合があります。
User does not have permission to read revisions of a shared file (ユーザーに共有ファイルの変更を読み取る権限がありません)
File Not Found (ファイルが見つかりません) と同様に、名前空間とアカウントのユーザーが異なります。 この場合、Googleのcapabilities_canReadRevisionsフィールドがfalseに設定されているため、その名前空間のユーザーはファイルの複数のバージョンを読み取ることができません。
The authenticated user does not have the required access to a file (認証済みユーザーにファイルに対して必要なアクセス権限がありません)
この問題には複数の原因がある可能性があります。 これは、User does not have permission to read revisions of a shared file (ユーザーに共有ファイルの変更を読み取る権限がありません) エラーとわずかに異なるものとしてよく見られます。
重複するファイルに関するエラー
以下のエラーは、Googleドライブ内の重複するファイルに関連しています。
Shared files are not included (共有ファイルが含まれていません)
Googleドライブ上のファイルとフォルダは、他のユーザーと共有できます。 このファイルやフォルダは、ユーザーの [共有アイテム] ドライブに表示されます。 ただし、これらの項目は投稿者の/My Driveという場所にマウントされる可能性があります。
投稿者が共有ファイルまたは共有フォルダを自分の/My Driveにマウントすると、そのファイルまたはフォルダは所有者の/My Driveと投稿者の/My Driveという2つの物理的な場所に存在することになります。
Box Shuttleでは、項目ごとに1つのインスタンスを転送してそれを他の適切なユーザーと共有します。その項目の他のインスタンスは除外され、Shared files are not included (共有ファイルが含まれていません) というエラーメッセージが表示されます。 これにより、ターゲット上でのデータの重複とバイト転送にかかる余分な料金が解消されます。
重複する名前の付いたファイルの転送
IDが異なるまったく別の2つのファイルが同じ場所に存在する場合があります。 たとえば、/My Drive/GoogleDocと/My Drive/GoogleDocは同じ名前空間に含めることができますが、内容が異なるまったく別のファイルである場合があります。
この場合、1つ目のドキュメントは元のパスで転送され、2つ目のドキュメントは、ファイル名にファイルIDが追加された状態で転送されます。 これにより、Box Shuttleはこの2つのドキュメントを正しく同期できます。
レート制限に関するエラー
Googleドライブのレート制限
Googleドライブのジョブはレート制限を受ける場合がありますが、Googleの判断により、お客様のリクエストは部分的または全面的に拒否される可能性があります。 BoxはGoogleの対応に対して責任を負いません。
レート制限によるエラー (ENOTFOUNDやETIMEDOUTなど) の場合は、影響を受けたファイルをジョブの再実行時に転送できます。
以下の項目では、追加のリクエストが必要であり、レート制限の発生率が増加する可能性があります。
- 共有範囲が広い (項目ごとに約25人以上のコラボレータがいる) ファイルとフォルダ。
- 項目は転送されますが、共有の一部またはすべてが含まれない可能性があります。
- すべての共有が適用されるとは限らないため、項目は転送レポートに部分的に成功したとして表示されます。
Googleドキュメントの移行およびファイル共有の転送の多くは、問題なく実行されます。 多くの問題では、以下の方法がレート制限の解決に役立ちます。
- Googleドライブのジョブは、通常の業務時間後またはユーザーがGoogleドライブにアクセスしていないときに実行します。
- 権限を含むジョブを実行する場合は、1回の実行でデータのみのジョブのデータ転送を行い、別のジョブでコラボレータの権限を適用します。
- 割り当ての上限に達した場合は、ジョブの進捗状況を数時間確認できない場合がありますが、ジョブがアクティブでないという意味ではありません。Shuttleは、割り当ての上限を下回ったかどうかを定期的に確認し、上限を下回った場合に転送を再開します。そのため、たとえ転送速度が停滞している場合でもジョブの実行を続行することをお勧めします。
- ジョブでエラーを伴うレート制限や再試行率の高いレート制限が発生していると思われる場合は、ジョブを複数の小さいジョブに分割してみてください。
Googleドライブで発生するレート制限エラーにはいくつかの種類があります。 影響を受けるファイルとその権限の大半は、再実行時に転送されます。 Googleドキュメントにコメント投稿者が多数存在する状況では、3回の実行が必要になる場合があります。 これらは永続的なエラーではなく、ほとんどの場合は、繰り返し実行することで解決されます。
Access denied (アクセスが拒否されました)
このエラーは、ほとんどの場合、レート制限のエラーです。 Googleのレート制限では、429エラーではなく403エラーが返されます。 このようなエラーは、レート制限が原因の場合、再実行時に解決されることがほとんどです。
エクスポートに関するエラー
Failed to export file size: File too large (ファイルサイズをエクスポートできませんでした: ファイルが大きすぎます)
Googleが提供するエクスポートAPIでは、エクスポートファイルの最大サイズとして10 MBがサポートされています。 Googleドキュメントがこのエクスポートサイズを超えると、エラーが発生します。 エクスポートするには、複数の小さいファイルに分割する必要があります。
File format cannot be migrated (移行できないファイル形式です)
Googleドキュメント、Googleスプレッドシート、Googleスライド、Google図形描画、およびその他のGoogleアプリはエクスポートできます。 Googleフォーム、Googleマップ、およびその他のアプリは移行できないため、除外されます。
内部サーバーエラー
ファイルによっては、エクスポート時に内部サーバーエラーが発生する場合があります (特にGoogleサイト)。 ダウンロード可能なファイルをエクスポートし、エラーが発生するかどうかを確認してください。 多くの内部サーバーエラーは繰り返し発生します。 このようなファイルは、エクスポートしたり、転送したりすることができません。
アクセスに関するエラー
No support for the Google Drive app (Googleドライブアプリがサポートされていません)
ユーザーが、自分のアカウントに対してGoogleドライブアプリを有効にしていない可能性があります。 admin.google.comでユーザーのアプリ一覧を確認してください。Googleドライブアプリを有効にしていない場合、ユーザーのストレージ容量は無効になっています。 また、Box Shuttleでは、外部の所有者またはコラボレータはサポートされません。
注: ドライブが有効になっていない場合、Box Shuttleはデータにアクセスできません。 ドライブを再度有効にすると、データは引き続き使用することも転送することも可能です。