リテンション機能は、有料のアドオンとして提供されています。
リテンションポリシーを使用すると、指定した期間、特定のコンテンツをBoxに保持し、その期間の終了時にコンテンツを削除することができます。つまり、リテンションにより、リテンション期間中であれば、コンテンツが誤って (または意図的に) 削除されることがなくなります。
- リテンションの例
- イベントベースのリテンション
- エンドユーザーが体験すること
- リテンションポリシーの作成
- リテンションポリシーの編集
- リテンションポリシーへのフォルダの追加
- リテンションポリシーの撤回
- リテンションポリシーレポート
- リテンションポリシーによるごみ箱の扱い
リテンションの例
以下に、リテンションに関する顧客事例をいくつか示します。
- 企業は、従業員の記録を従業員の退職後3年間保持する必要があります。
- 金融機関は、Boxを利用して融資業務を管理し、コンプライアンス要件に対応するため最終文書を6年間保持したいと考えます。
- メーカーは、Boxを利用して業者とレポートを共有したいと考えます。これらのレポートは30日間だけ有効とします。
リテンションポリシーはすべてのファイルバージョンに適用されます。つまり、リテンションポリシーが1つのファイルに適用されると、そのファイルの既存および今後のすべてのバージョンに適用されます。次に、フォルダベースのポリシーまたは企業のポリシーの例を示します。
- ファイルのバージョン1の保持期間が7日間とする
- 3日後にバージョン2がアップロードされる
7日間の保持期間がバージョン2にも適用されますが、その開始日はアップロードされた日になります。つまり、バージョン2はそのアップロードされた日から7日間、バージョン1が削除された日の4日後まで保持されることになります。ただし、イベントベースのリテンションの場合は、ファイルに設定されたメタデータの開始日に基づき、すべてのバージョンの有効期限が同じになります。これは、バージョンごとに固有のメタデータテンプレートを設定できないためです。
ポリシーを管理する権限が付与されている管理者および共同管理者は、リテンションポリシーを作成し、以下を対象にそのポリシーを適用することができます。
- グローバル (企業全体) レベル (このオプションはさかのぼって適用されることはありません)
- フォルダレベル
- ファイルレベル (APIを使用した場合のみ)
- 特定のメタデータを含むコンテンツ
リテンションポリシーにリテンション期間とその開始日を定義します。リテンション期間を開始できるタイミングは以下のとおりです。
- ファイルがBoxに追加またはアップロードされたとき
- ファイルメタデータ (イベントベースのリテンション) で定義された日
これによって、より簡単かつ適切に非構造化データを保持することができ、確実に規制を順守できます。
リテンションポリシーは管理コンソール、API、および第1層SDKから使用できます。
イベントベースのリテンション
イベントベースのリテンションを使用すると、管理者と共同管理者は、指定したビジネスイベントが発生するまでリテンションが開始されないポリシーを作成できます。以下に例を示します。
- 企業は、従業員の記録が雇用期間中に誤って (または意図的に) 削除されない (つまり、「無期限に」保持される) ようにし、従業員の退職後3年間保持する必要があります。この場合は、従業員の退職がビジネスイベントとなります。
- 製薬会社は、外部の研究企業と共同で調査研究を行う必要があります。契約上の合意に従い、研究は決まった日に終了し、コンテンツはその日の直後に削除する必要があります。この場合は、研究の終了日がビジネスイベントとなります。
イベントベースのリテンションは高度な機能であり、仕様や計画が必要になる場合があるため、サポートまたはBox担当者までお問い合わせください。
エンドユーザーが体験すること
ユーザーは、保持されているファイルをごみ箱に入れることで削除できます。ただし、そのファイルのリテンション期間が終了するまで、ユーザーはそのファイルをごみ箱から消去することはできません。それまでの間、ユーザーはごみ箱のファイルを元の場所に復元することができます。元の場所が削除されている場合は、ファイルの復元先として新しいフォルダを選択できます。
ファイルにリテンションポリシーが適用されている場合、右側のナビゲーションの [詳細] セクションにインジケータが表示されます。この情報は、ファイル名の右にある [その他のオプション] をクリックして、[プロパティ] > [ファイル情報] でも確認できます。
- リテンションポリシーが適用されたフォルダからリテンションポリシーが適用されていないフォルダにファイルを移動すると、そのファイルは最初のリテンションポリシーに基づいて管理されます。
- リテンション期間が無期限のリテンションポリシーが適用されたファイルを、リテンション期間が期限付きのリテンションポリシーが適用されたフォルダに移動すると、ファイルの移動日に基づいてファイルが保持されます。
- リテンションポリシーが適用されたファイルやフォルダを社外に転送することはできません。
リテンションポリシーの作成
注
リテンションポリシーは、FINRAなどの規制要件を満たすよう設計されており、正しく設定すると、顧客はコンプライアンスや規制要件を満たすことができます。これは、リテンションは、コンテンツに適用されると削除することも短縮することもできないことを意味します。つまり、ポリシーの [期間] と [ポリシーの適用先] の設定は変更できません。また、フォルダを削除することもできません。
- [管理コンソール] > [ガバナンス] に移動します。
- [リテンション] タブをクリックします。
- [リテンションポリシーを作成] をクリックします。
- リテンションポリシーの詳細を入力します。詳細は、ガバナンスの設定の [リテンション] タブセクションを参照してください。
- [次へ] をクリックします。
- [ポリシーの適用先] の設定で、次のいずれかを実行します。
- [特定のフォルダ内のコンテンツ] を選択した場合は、[選択] をクリックし、1つまたは複数のフォルダを選択します。
- [特定のメタデータを含むコンテンツ] を選択した場合は、[選択] をクリックし、1つまたは複数のメタデータ項目を選択します。
注
フォルダ固有のリテンションポリシーを作成した場合、このリテンションポリシーは、指定したフォルダ内からごみ箱にすでに移動されている個々のファイルすべてに適用されます。このリテンションポリシーは、指定したフォルダ内からすでにごみ箱に移動されているサブフォルダには適用されません。
リテンションポリシーの編集
注
リテンションポリシーは、FINRAなどの規制要件を満たすよう設計されており、正しく設定すると、顧客はコンプライアンスや規制要件を満たすことができます。これは、リテンションは、コンテンツに適用されると削除することも短縮することもできないことを意味します。つまり、ポリシーの [期間] と [ポリシーの適用先] の設定は変更できません。また、フォルダを削除することもできません。
- リテンションポリシーを編集するには、管理コンソールを開きます。
- 左側のナビゲーションで、[ガバナンス] をクリックします。
- [リテンション] タブで、編集するポリシーを見つけてクリックします。ポリシーの詳細画面が表示されます。
- [リテンションポリシー詳細] セクションの横にある [編集] をクリックします。
- 変更を加え、[保存] をクリックします。
注 リテンションポリシーが実際に適用されていることを確認するには、管理コンソールで [レポート] > [レポート作成] をクリックし、[ユーザーアクティビティ] > [ポリシー] > [リテンションポリシーの適用] に移動します。
リテンションポリシーへのフォルダの追加
リテンションポリシーは、FINRAなどの規制要件を満たすよう設計されているため、その設定は、ポリシーを有効にすると変更できません。ただし、例外として、リテンションポリシーにフォルダを追加することは可能です。これにより、Boxに企業ユーザーを段階的にオンボーディングするお客様は、ビジネスユニットを既存のリテンションポリシーに追加でき、同じ構成で個々のポリシーを作成する必要がありません。 リテンションポリシーにフォルダを追加すると、フォルダとそのサブフォルダ内のすべてのファイルにリテンションポリシーが適用されます。
- 管理コンソールで、[ガバナンス] > [リテンション] に移動します。
- リテンションポリシーの名前をクリックしてその詳細を表示します。
- [適用先] セクションで、[表示] をクリックします。
- [フォルダを追加] (
) をクリックします。
- 1つまたは複数のフォルダを検索して選択します。
- [選択] をクリックします。
- 追加したフォルダを確認します。ポリシーに対する変更を保存すると、追加したフォルダは削除できません (既存のフォルダは、その隣にロックアイコン (
) が表示され、削除することができません。追加したフォルダは、変更を保存するまでは削除できます。それには、削除するフォルダにカーソルを合わせて、[削除] をクリックします)。
- [保存] をクリックします。
- [リテンションポリシーの警告] ダイアログボックスで、確認のためのチェックボックスを必要に応じてクリックし、[ポリシーの開始] をクリックします。
リテンションポリシーの撤回
- 左側の ] をクリックします。
- [ ] をクリックします。
リテンションポリシーレポート
ポリシーの作成、編集、および撤回に関する
管理コンソールからリテンションポリシーを実行する方法を確認してください。
リテンションポリシーによるごみ箱の扱い
- ごみ箱 (誰も削除できないように設定されているか、絶対に削除しないように設定されている場合)
- リテンションポリシー ([廃棄アクション] で [コンテンツを完全に削除する] が選択されている場合)
- ごみ箱 (その他の設定)
つまり、この場合は6年間消去されません。
リテンションの有効期限終了時のファイルの廃棄
リテンション期間の終了時にファイルの削除を要求するリテンションポリシーの場合、削除対象として特定されたファイルは、通常、リテンション期間の終了日に削除されます。まれに、この処理が行われない場合もありますが、これは、効率化を図るため、ポリシーによって削除するファイルを特定する処理が行われるのが14日に1回であるためです。
リテンションは通常年単位で測定されるため、ほとんどのリテンションポリシーにこの影響はありません。この廃棄ファイルを特定する処理の影響を受ける可能性のあるシナリオを以下の表にまとめました。
シナリオ | 結果 |
---|---|
お客様のサンドボックスの実験の一環として、ファイルに1日間のリテンションポリシーを適用した場合。 | 廃棄ファイルを特定する処理はお客様のサンドボックスで毎日実行されるため、当該ファイルは1日経過後に削除対象となります。 |
3年のイベントベースのリテンション (EBR) ポリシーが適用されているファイルについて、そのリテンションの開始日をちょうど3年前に設定した場合。 | 次に廃棄ファイルを特定する処理が行われる際に、廃棄のステータスが認識されます。当該ファイルは、この処理が行われると即時に削除対象となります。 |
5年前にBoxにアップロードされたファイルの親フォルダに3年のリテンションポリシーを適用した場合。 | 次に廃棄ファイルを特定する処理が行われる際に、廃棄のステータスが認識されます。当該ファイルは、この処理が行われると即時に削除対象となります。 |