リーガルホールドポリシーは、Box Governanceの一部として提供されます。Box Governanceのリーガルホールドポリシーを使用すると、特定のファイル、ファイルバージョン、フォルダ、またはカストディアン (管理対象ユーザー) をリーガルホールドの対象にすることで、組織内の指定したコンテンツを保持することができます。 リーガルホールドの対象になったコンテンツは、リーガルホールドポリシーがアクティブである限り、完全に削除できなくなります。
Boxにおけるカストディアン (管理対象ユーザー) のリーガルホールド保持タイプの仕組み
Boxでは、カストディアン (管理対象ユーザー) のリーガルホールド保持タイプとして所有権、アクセス権限、操作の3つがサポートされており、カストディアンにホールドが設定されている場合にコンテンツの保持をきめ細かく制御できます。それぞれの保持タイプでは、異なる範囲のデータリテンションが定義されており、これらを個別に使用することも組み合わせて使用することもできます。
1. 所有権ベースの保持
[所有権] を選択すると、Boxでは、ホールドが適用された時点でカストディアンが所有するすべてのファイルおよびフォルダと今後カストディアンが所有するすべてのファイルおよびフォルダの両方が保持されるようになります。所有権ベースの保持には、以下が含まれます。
- カストディアンが現在所有しているすべてのファイルとフォルダ
- カストディアンが自身の所有するフォルダに作成またはアップロードする新しいコンテンツ
- Box Archiveに移動された所有コンテンツ
2. 操作ベースの保持
操作ベースの保持では、ホールド適用後にカストディアンが操作するファイルバージョンと、ホールド適用前の過去7年間に操作したファイルバージョンが保持されます。ホールドポリシーが有効になってからファイルが保持されるまでに、最大12時間の遅延が発生する場合があります。
操作には以下が含まれます。
- ファイルバージョンを開くまたはプレビュー
- ダウンロードまたはアップロード (Box SyncやBox Edit経由のファイルのダウンロードを含む)
- ファイルバージョンの作成または編集
- ファイルまたはフォルダのごみ箱への移動 (フォルダがごみ箱に移動した場合は、フォルダ内のすべての項目が保持されます)
例: 操作のホールドの適用後にカストディアンがコラボレータとしてファイルに追加した場合、カストディアンがそのファイルを操作した場合のみ、そのファイルは保持されます。
3. アクセス権限ベースの保持 (従来のモデル)
アクセス権限ベースの保持を使用すると、Boxでは、以下が保持されます。
- コラボレーション (Hubを含む) が後で削除される場合でも、リーガルホールドが有効になった時点でカストディアンがアクセスできるすべてのコンテンツ
- 同じ最上位フォルダに追加される新しいファイルまたはファイルバージョン
- カストディアンが所有するすべてのコンテンツ
- ホールドが設定された後にカストディアンが操作するすべてのコンテンツ
- ファイルバージョンを開くまたはプレビュー
- ダウンロードまたはアップロード (Box SyncやBox Edit経由のファイルのダウンロードを含む)
- ファイルバージョンの編集
- ファイルまたはフォルダのごみ箱への移動 (フォルダがごみ箱に移動した場合は、フォルダ内のすべての項目が保持されます)
- ホールドが適用された後にカストディアンからカストディアン以外のユーザーに移動または転送されたファイルやフォルダ
- Hubの更新
- Hubに追加されたファイルとフォルダ
- Hubから削除されたファイルとフォルダ
- 削除されたHub
- Hubから移動されたファイルとフォルダ
- ごみ箱からHub外の新しい場所に復元されたファイルとフォルダ
アクセス権限ベースのホールドで以下は保持されません。
- 操作が行われていない、共有リンク経由でのみアクセスされたファイル
- カストディアンにホールドが設定された後に共有され、カストディアンが操作したことのないファイル
リーガルホールドとBox Archive
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所有権ベースのホールド: カストディアンに所有権ベースのホールドを設定すると、カストディアンが所有するすべてのデータは、ホールドの設定前にBox Archiveに移動されていた場合でも保持されます。
重要: ホールドの設定前にファイルまたはフォルダがBox Archiveから別のユーザーに復元されると、このコンテンツは所有権で保持されません。 - 操作ベースの保持: Boxでは、ホールドが設定されたタイミングに関係なく、Box Archiveに移動された、カストディアンが操作したファイルが最大7年間保持されます。
- アクセス権限ベースのホールド: Boxでは、ホールドが設定される前にBox Archiveに移動されたファイルは保持されません。 ただし、最初にホールドが適用された後、ファイルがアーカイブに移動された場合は、そのファイルが保持されます。
- フォルダベースのホールド: アーカイブ内の特定のフォルダにフォルダベースのホールドを適用できます。
カストディアンの選択と日付範囲の指定
リーガルホールドポリシーにカストディアン (管理対象ユーザー) を1人以上選択し、日付範囲を追加した場合、Boxでは、上記のとおりにコンテンツが保持され、以下の内容が適用されます。
- 所有権ベースおよびアクセス権限ベースのホールド: リーガルホールドにより、この日付範囲内に作成またはアップロードされたファイルおよびバージョンのみが保持されます。
- 操作ベースの保持: リーガルホールドにより、この日付範囲内に操作されたファイルおよびバージョンのみが保持されます。
- 終了日が指定されている場合、カストディアンがその日付以降に操作するコンテンツは保持されません。
- 終了日が指定されていない場合、日付範囲フィルタは、ホールドが設定された後 (リーガルホールドの継続中) にカストディアンが操作するコンテンツに適用されます。
フォルダの選択
リーガルホールドポリシーにフォルダを1つ以上選択した場合は、以下のコンテンツが保持されます。
- リーガルホールドポリシーがアクティブになった時点でフォルダに保存されているすべてのコンテンツ。
- 今後フォルダに追加されるすべての新しいファイル。
ファイル (APIのみ)
API (アプリケーションプログラミングインターフェース) を使用して、つまりプログラムを通じて、ファイルにリーガルホールドポリシーを設定した場合は、以下のコンテンツが保持されます。
- 特定のファイル。これには、ファイルにリーガルホールドを設定した時点で存在するファイルのすべてのバージョンと、今後追加されるすべての新しいバージョンが含まれます。
ファイルバージョン (APIのみ)
API (アプリケーションプログラミングインターフェース) を使用して、つまりプログラムを通じて、ファイルバージョンにリーガルホールドポリシーを設定した場合は、以下のコンテンツが保持されます。
- 特定のファイルバージョンが保持されます。
注: リーガルホールドの対象となっているファイルは、ファイルリストでバッジで示されることはありません。また、エンドユーザーにリーガルホールドの対象であることが明示されることもありません。
リーガルホールドの作成と使用に関する詳細