Boxでは、BusinessまたはEnterpriseをご利用のお客様向けにFTP (ファイル転送プロトコル) をサポートしています。 個人アカウント (FreeまたはPro) および試用版のアカウントでは使用できません。 FTPはデータの一括移行に使用されます。 アカウントからのファイルの最初の一括アップロードと不定期の一括ダウンロードで使用するよう設計されているため、FTPを主要なアクセス方法として使用することはお勧めしません。
FTP、FTPS、FTPESはサポートされていますが、SFTPはサポートされていません。 FTPを使用してファイルをアップロードした場合は、メール通知を受け取れません。 これは意図的なものです。 パッシブモードのFTPがサポートされ、アクティブモードのFTPはサポートされないことに注意してください。
注: 管理コンソールに移動し、FTPがアカウントに対応していることを確認します (管理者にお問い合わせください)。次にアプリケーションに移動し、FTPが有効になっていることを確認してください。
FTPクライアントでBoxに接続する方法
- FTPの概要に関する記事を参照してください。
コマンドラインでBoxに接続する方法 (Macの上級ユーザー向け)
FTP (Mac):
- ターミナルセッションを開きます。 次のように入力します。
ftp ftp.box.com
次にBoxのユーザー名とパスワードを入力します。 -
passive on
と入力します。 -
epsv
と入力します。 -
lcd
コマンドを使用してローカルディレクトリを変更します。 - 例:
lcd /Users/user/Desktop
- ファイルを1つアップロードするには
put
を使用します。 -
ftp>
put myfile.pdf <Enter>
- 複数のファイルをアップロードするには
mput
を使用します。ftp
>mput *.htm <Enter>
- quitと入力すると接続が閉じられ、元のターミナルウィンドウに戻ります。
Windowsのコマンドラインを使用したFTP:
Windowsの組み込みFTPコマンドラインユーティリティは、(「quote pasv」でエラーが発生しなくても) パッシブモードをサポートできません。 WindowsのコマンドラインFTPユーティリティを必要とする場合は、「MOVEit Freely Free Command-line Client」を検索してください。 注: MOVEit Freelyは、デフォルトではアクティブモードで起動します。 MOVEit Freelyを起動する際に-a引数を使用してパッシブモードで起動するか、セッション確立後にpassiveコマンドを使用してパッシブモードに切り替える必要があります。
curlを使用したFTPS:
ターミナルセッションを開きます。
- 21番ポートのFTPでBoxに接続する方法:
shell> curl -1 --disable-epsv --ftp-skip-pasv-ip -u username@example.com --ssl-reqd ftp://ftp.box.com
- 990番ポートのFTPSでBoxに接続する方法:
shell> curl -1 --disable-epsv --ftp-skip-pasv-ip -u username@example.com --ssl-reqd ftps://ftp.box.com:990
ファイルをアップロードする方法 (FTPを使用した例):
ターミナルセッションを開きます。
shell> curl -1 --disable-epsv --ftp-skip-pasv-ip -u username@example.com --ssl-reqd --upload-file filename ftp://ftp.box.com/
注: ディレクトリ名「ftp://ftp.box.com/dir/」の末尾の「/」がない場合、「551 Box: Not Found (551 Box: 見つかりません)」というエラーが発生します。
ファイルをダウンロードする方法 (FTPSを使用した例):
ターミナルセッションを開きます。
shell> curl -u username@example.com ftps://ftp.box.com/apple.png -o ~/Downloads/apple.png
注: 標準の接続コマンドと同様、curlも接続状態が持続されません。 詳しくはターミナルでman curlコマンドまたはcurl --helpコマンドを入力してください。
FTPSは、Transport Layer Security (TLSv1.2) をサポートしているFTPです。
FTPSには次の2つの動作モードがあります。
- 暗黙的: 990番ポートが暗黙的に使用されます。 ハンドシェイクは行われません。
- 明示的: 21番ポートを使用します。 FTPESとも呼ばれます。
ファイアウォールの非互換性
FTPは動的2次ポート (データチャネル用) を利用するため、多くのファイアウォールはFTPプロトコル制御メッセージを観察し、ファイアウォールからの許可を必要とする2次データ接続を判定するよう設計されています。 ただし、FTPの制御接続がTLS/SSLを使用して暗号化されている場合、ファイアウォールはクライアントとFTPサーバー間でネゴシエーションされるデータ接続のTCPポート番号を判定できません。 したがって、多くのファイアウォールで保護されたネットワークでは、暗号化なしのFTP配備が機能している場合、FTPS配備は失敗します。 FTPは、データの転送にコマンドチャネルとデータチャネルという2つのチャネルを使用します。 ネットワーク上でFTPが動作しない場合は、ファイアウォールがデータチャネルのポートへのアクセスをブロックしている可能性があります。
- この問題は、データチャネルに使用するポートの範囲を限定することで、解決できる場合があります。
- ファイアウォールの構成で、データチャネルにポート10,000~29,999を許可します。
SSO (シングルサインオン)
転送プロトコルとしてのFTPは、シングルサインオンをサポートしません。 ユーザーアカウントでSSOが有効な場合、SSOログインを補完するため、Box固有のパスワードを作成する必要があります。 これを行うには、ブラウザを使用してBoxアカウントにログインし、[アカウント設定] > [アカウント] の順に移動します。 その後、(必要に応じて) [認証] セクションまでスクロールします。
- シングルサインオン (SSO) を使用しているため、SSOをサポートしていない外部アプリケーションで使用する一意のパスワードを作成する必要があります。 現在のパスワードを忘れた場合は、リセットできます。
2段階認証
アカウントで2段階認証をオンにした場合、ログインのワークフローは以下のようになります。
- Box固有のパスワードを使用して、通常どおりログインします。
- スペースで区切られた英数字6文字の確認コードが記載されたテキストメッセージを受け取ります。
- その6文字のコードをFTPパスワードとして使用し、もう一度ログインします。
注意とトラブルシューティング:
- BoxのFTPサーバーにアクセスするには、[Box FTPサーバー] を [使用可能] に設定する必要があります。 管理コンソールの左側のナビゲーションで、[アプリ] をクリックします。 このオプションは、デフォルトで [使用可能] に設定されています。 [Box FTPサーバー] が無効な場合にFTPクライアントからログインを試みると、[認証に失敗しました] というメッセージが表示されます。
- 転送プロトコルとしてのFTPは、シングルサインオン (SSO) の一環として多要素認証 (MFA) をサポートしません。 ユーザーアカウントでSSOが有効な場合、SSOログインを補完するため、Box固有のパスワードを作成する必要があります。 これを行うには、ブラウザを使用してBoxアカウントにログインし、[アカウント設定] > [アカウント] の順に移動します。 その後、(必要に応じて) [外部パスワードを作成] セクションまでスクロールします。
-
FTPプロトコルは認証とデータに別々のチャンネルを使用します。 必要なポートがすべて許可リストに登録されていることを確認してください。
- Boxは、FTP (ポート21)、FTPS暗黙 (ポート990)、およびFTPES明示 (ポート21) を、パッシブFTPでサポートします。 アクティブFTPまたはSFTPはサポートしません。
-
Boxでは、データチャンネルにポート10,000~29,999を使用します。 これらのポートがファイアウォールで開かれていることを確認してください。
- [Error: Connection timed out after 20 seconds of inactivity (エラー: 非アクティブになってから20秒後に接続がタイムアウトになりました)]: タイムアウトの設定時間を増やします。 これを行うには、Filezillaで [設定] > [接続] > [タイムアウト] の順に移動します。 多数のファイルを含むフォルダを扱う場合は、タイムアウトを120秒に設定することをお勧めします。
- アップロード/ダウンロードの再開: BoxはREST (再開) コマンドとAPPE (追加) コマンドには対応していません。 つまり、FTPでは、Boxでアップロード/ダウンロードを再開できません。 アップロード/ダウンロードが失敗した場合は、最初からやり直す必要があります。 この場合、FTPクライアントのログに551 Box: Partial-file uploads are not supported (551 Box: ファイルの部分的なアップロードはサポートされていません) と表示されます。
- Box FTPは、データ接続でのTLSセッションの再開をサポートしていません。
- [530 Box: CAPTCHA is required (530 Box: CAPTCHAが必要です)]: お使いのアカウントでCaptchaがトリガーされた可能性があります。 Captchaをクリアするには、ウェブブラウザでBoxの資格情報 (SSOを使用している場合は外部パスワード) を使用してhttps://app.box.comにログインします。
- [530 Box: Login rejected: Limit of 40 logins per user already reached (530 Box: ログインが拒否されました: ユーザーあたりのログイン数の上限40回に達しました)]: お使いのBoxアカウントでアクティブな同時FTP接続が40を超えています。
-
[Error on output file (出力ファイルのエラー)]: フォルダ名の末尾にスペースが入っている可能性があります。 これは使用できません。 フォルダ名を変更して不要なスペースを削除してください。
- [Request rate limit exceeded, please try again later (リクエストのレート制限を超えました。後でもう一度やり直してください)]: FTPクライアントからの同時接続数を減らしてください。
Boxサポートに連絡する際には、FTPクライアントのログの詳細なコピーを必ず添付してください。