Box for Teams統合は、Business、Business Plus、Enterprise、Enterprise Plusアカウントを使用している場合に導入できます。
Box for Teams統合は、Business Starterアカウントでは導入できません。
Box for Microsoft Teams統合を使用すると、使い慣れたMicrosoft Teamsのインターフェースから、Boxに保存されたコンテンツを使用できます。 アプリ間を行き来しなくても、Microsoft Teams内から直接、Boxに保存されているコンテンツを共有したりアクセスすることができます。 その結果、管理作業が効率化され、作業時間が短くなり、チームのコラボレーションが促進されます。
Box for Teams統合は、各チームおよびチャネルのBoxフォルダの自動作成を可能にします。 Teams経由で共有されたコンテンツはすべてこのBoxフォルダに保存されます。 さらに、コンテンツへのアクセス権限はBoxとTeams間で自動的にマッピングされます。 つまり、コンテンツへのアクセス権限を持っているだけでなく、コンテンツが共有されたチャネルに参加していない限り、ユーザーは共有されたコンテンツにアクセスできません。
注
チーム所有者は、デフォルトのチャネルフォルダとしてBoxが自動作成するフォルダを使用する代わりに、既存のフォルダを選択するか、フォルダを新規作成することもできます。
Box管理コンソールで、組織全体に対してBox for Teamsを有効化できます。また、Microsoft Teams管理センターで、事前にBoxアプリを組織すべてのTeamsにピン留めすることもできます。さらに、この統合をインストールする際には、Box for Teamsの動作を管理するセキュリティ設定が複数用意されているため、使用を開始するために必要な手動での作業を大幅に減らすことができます。
Box for Teams統合を企業に導入する手順は、大きく分けて4つあります。
- APIでBoxとMicrosoftがデータを共有することを承諾する
- Microsoft 365の権限を設定する
- Box管理コンソールでTeamsを承認する
- (a) BoxアプリケーションをTeamsに追加する、または (b) 事前にBoxアプリケーションをTeamsにピン留めする
4つの手順をすべて実行する必要があります。
下記では、各手順の概要を説明した後、個々のステップに分けて説明します。
ステップ1: APIでBoxとMicrosoftがデータを共有することを承諾する
- 実行内容: BoxがMicrosoft Graph APIを呼び出すことを承諾します。
- 実行担当者: Microsoft Azure管理者
- 実行結果: BoxでMicrosoftとAPIコールのやり取りができるようになります。 これにより、フォルダの自動作成や権限のマッピングなどの機能が使用可能になります。
その手順は以下のとおりです。
- 管理者としてAzureポータルにログインします。
- Microsoftテナントに対する権限をBoxに付与します。 そのためには、microsoft.comに移動し、[承諾] をクリックします。
権限 | 説明 |
---|---|
全ユーザーのすべてのプロファイルの読み取り (User.Read.all) |
サインインしているユーザーがいなくても、ユーザープロファイルの読み取りをアプリに許可します ユーザーのMicrosoft IDとBox IDを関連付けるために使用します チャネル内のユーザーをリストアップし、チャネルフォルダでコラボレーションします |
すべてのグループの読み取り (Group.Read.All) |
サインインしているユーザーがいなくても、グループのプロパティとメンバーシップの読み取りおよびすべてのグループのカレンダーと会話の読み取りをアプリに許可します Box管理コンソールにアプリをインストールします。Box管理コンソールにテナントIDを入力すると、バックグラウンドでMicrosoftのテナントIDとBox EIDを結び付ける特定のスクリプトが実行されます チームが新規作成されるとそれを検出し、チーム名とチームIDを読み取ってBoxにサービスアカウントフォルダを作成して、チームと後続のチャネルにそのフォルダをマッピングします |
すべてのグループメンバーシップの読み取り (GroupMember.Read.All) |
サインインしているユーザーがいなくても、すべてのグループのメンバーシップと基本的なグループプロパティの読み取りをアプリに許可します |
Microsoft Teamsでのタブの作成 (TeamsTab.Create) |
サインインしているユーザーがいなくても、チャネル/チャットが新規作成されるとそれを検出し、[Boxファイル] タブを自動生成します。作成されたタブの読み取り、変更、削除は許可されず、タブ内のコンテンツへのアクセスも許可されません |
Microsoft Teamsでのタブの読み取り (TeamsTab.Read.All) |
サインインしているユーザーがいなくても、Microsoft Teamsの任意のチーム/チャット内でタブの名前や設定を読み取り、Teamsのチャネル/チャットに [Boxファイル] タブがすでに存在するかどうかを検出します。タブ内のコンテンツへのアクセスは許可されません |
Microsoft Teamsでのタブの読み取りと書き込み (TeamsTab.ReadWrite.All) |
サインインしているユーザーがいなくても、Microsoft Teamsの任意のチームにあるタブの読み取りと書き込みを行います。タブ内のコンテンツへのアクセスは許可されません Box for Teamsアプリをチーム/チャットにインストールする際、[Boxファイル] タブを自動生成するために使用します Box統合がインストールされているチームにユーザーがチャネルを新規作成する際、[Boxファイル] タブを自動生成するために使用します |
全チームのリストの取得 (Team.ReadBasic.All) |
サインインしているユーザーがいなくても、全チームのリストが表示されます Boxはチームが新規作成されるとそれを検出し、そのチームのためにBox for Teamsの自動インストールを開始できます その結果、ユーザーがチームに対して手動でBox for Teamsをインストールする煩わしさが解消されます |
全チャネルの名前と説明の読み取り (Channel.ReadBasic.All) |
サインインしているユーザーがいなくても (メッセージにアクセスできなくても)、全チャネルの名前と説明を読み取ります Boxはチーム内にチャネルが新規作成されるとそれを検出し、そのチャネルのためにBox for Teamsの自動インストールを開始できます その結果、ユーザーがチームに対して手動でBox for Teamsをインストールする煩わしさが解消されます |
全チャットスレッドの名前とメンバーの読み取り (Chat.ReadBasic.All) |
サインインしているユーザーがいなくても (メッセージにアクセスできなくても)、Microsoft Teamsの一対一のチャットとグループチャットすべての名前とメンバーを読み取ります Boxはチャットが新規作成されるとそれを検出し、そのチャットのためにBox for Teamsの自動インストールを開始できます Boxがすでにチャットにインストールされているかどうかを検出できます。インストールされている場合、Boxによるそれ以上の操作は不要です その結果、ユーザーがアドホックのチャットの会話 (例: 一対一のチャット、グループチャット) を開始する際に手動でBox for Teamsをインストールする煩わしさが解消されます |
すべてのチャットのためのTeamsアプリの管理 (TeamsAppInstallation.ReadWriteForChat.All) |
サインインしているユーザーがいなくても任意のチャットでTeamsアプリの読み取り、インストール、アップグレード、アンインストールを行うことをアプリに許可します。アプリケーション固有の設定を読み取ることは許可されません 権限により、チャットレベルでのBoxアプリの読み取り/書き込みおよび削除ができます |
すべてのチームのためのTeamsアプリの管理 (TeamsAppInstallation.ReadWriteForTeam.All) |
サインインしているユーザーがいなくても任意のチームでTeamsアプリの読み取り、インストール、アップグレード、アンインストールを行うことをアプリに許可します。アプリケーション固有の設定を読み取ることは許可されません 権限により、指定したチームでのアプリの読み取り/書き込みおよび削除ができます |
サインインとユーザープロファイルの読み取り (User.Read) |
アプリへのサインインをユーザーに許可し、サインインしているユーザーのプロファイルの読み取りをアプリに許可します。さらに、サインインしているユーザーの基本的な企業情報の読み取りもアプリに許可します ユーザーのMicrosoft IDとBox IDを関連付けるために使用します チャネル内のユーザーをリストアップし、チャネルフォルダでコラボレーションします |
ステップ2: Microsoft 365の権限を設定する
- 実行内容: Teamsユーザーがサードパーティ製アプリケーションをインストールできるよう、権限をセットアップします (Box for Teamsを許可リストに追加する必要があります)。
- 実行担当者: Microsoft 365管理者
- 実行結果: オプションとしてユーザーがBox for Teamsにアクセスできるようになります。
その手順は以下のとおりです。
- グローバル管理者またはユーザー管理者としてMicrosoft管理ポータルにログインします。
- Microsoft Teams管理センターに移動します。この操作を行うには、左側のナビゲーションペインから [管理センター] > [Teams] の順に移動します (場合によっては [すべて表示] もクリックする必要があります)。
- Teams管理センターの左側にあるナビゲーションから、[Teamsのアプリ] > [アクセス許可ポリシー] の順に移動します。
- [組織全体のアプリ設定] をクリックし、[組織全体のアプリ設定] ペインを表示します。
- [サードパーティ製アプリ] セクションで、[サードパーティ製アプリまたはカスタムアプリを許可する] がオンになっていることを確認します。[保存] をクリックします。
ステップ3: Box管理コンソールでTeamsを承認する
- 実行内容: MicrosoftテナントがBoxにアクセスすることを承認します。
- 実行担当者: Box管理者
- 実行結果: 特定のMicrosoft TeamsテナントとBox間のコミュニケーションが有効化され、フォルダの自動作成や権限のマッピングが可能になります。
その手順は以下のとおりです。
- [管理コンソール] > [アプリ] に移動します。
- [カスタムアプリマネージャ] タブをクリックします。
- [アプリの追加] をクリックします。
- [クライアントID] ボックスに、Microsoft TeamsのアプリケーションIDである
nqq9pg38gpjntlvce1toixicuc91sxyw
を貼り付けます。 - [次へ] をクリックします。
- [承認] をクリックします。 これで、アプリのリストにBox for Microsoft Teamsが表示されます。
- [Boxアプリと統合] タブをクリックします。
- [アプリケーションの個別管理] で、Microsoft Teamsを検索します。
- Teamsのステータスが [使用可能] であることを確認します。 無効になっている場合、[ステータス] 列の対応する下矢印をクリックし、[使用可能] をクリックします。
- Box for Microsoft Teamsの行にカーソルを合わせ、[構成] をクリックします。
- [Microsoft 365テナントID] ボックスに、一意のMicrosoft 365テナントIDを貼り付けます。このIDを取得する方法は、以下のとおりです。
- [ディレクトリID] ボックスに、MicrosoftのテナントIDが表示されます。
- 上記のステップ2が完了していることを確認してください。 まだ完了していない場合、BoxはテナントIDを処理できません。
- グローバル管理者またはユーザー管理者としてMicrosoft Azureポータルにログインします。
- [Azure Active Directory] に移動します。
- [Basic information (基本情報)] の下に表示されているテナントIDを確認します。
- 共有するファイルのサムネイル画像をTeamsに表示するかどうかを決めます。
- サムネイル画像を表示する場合、[ドキュメントのサムネイルを有効にする] の右にあるスライダをクリックし、右に動かします。
- デフォルト設定のオフのままにした場合、サムネイル画像ではなく一般的なファイルのアイコンがTeamsに表示されます。
- メンバーの誰かがチャネルまたはダイレクトメッセージ内でファイルまたはフォルダを共有すると、メンバーには、共有ファイルの情報を表示するコンテンツカードか、一般的なリンクアイコンが表示されます。 コンテンツカードと一般的なアイコンのどちらが表示されるかは、この構成によって異なります。 チャネル/メッセージメンバーが実際のコンテンツを表示する権限も持っている場合のみファイル情報を表示するには、[ファイル/フォルダ名とファイルの種類を表示する前の権限確認を有効にする] の横にあるスライダをクリックし、右に動かします。 コンテンツカード情報は、次の場合にのみ表示できます。
- Boxにログインしている
- ファイルへのアクセス権限がある
- Boxの権限チェックがオンになっている
- ファイルへのアクセス権限を持たないチャネル/メッセージメンバーには、一般的なリンクアイコンだけが表示されます。
- デフォルト設定であるオフのままにした場合、チャネルの全メンバーがコンテンツ情報を見ることができます。ただし、Boxでのアクセス権限がない限り、コンテンツ自体にはアクセスできません。
- Box for Teamsの管理設定とセキュリティ設定を構成します。 下記のステップ4を参照してください。
- [保存] をクリックします。
ステップ4(a): BoxアプリケーションをTeamsに追加する
- 実行内容: Box for Teams統合をチームと関連するチャネルに展開します。 これにより、ユーザーがTeamsにBoxアプリケーションを追加して使用できるようになります。
- 実行担当者: Microsoft Teamsの管理者またはチーム所有者
- 実行結果: チーム内のすべてのチャネルとユーザーがBox for Teams統合の機能を使用できるようになります。
チーム所有者は、組織の規模に応じて、自動または手動でTeamsをインストールします。
Teamsの自動追加:
大規模な組織向けにBox for Teamsをインストールする場合は、以下に対して自動的にインストールできます。
- 既存のすべてのチーム/チャネル
- 新規に作成されるチーム/チャネル
- 新規に作成されるチャット
その結果、ユーザーのチャネル/チャットには自動的に [Boxファイル] タブが表示されます。この統合を使用するには、有効なBoxアカウントでサインインする必要があります。
自動インストールを有効にするには:
- Office 365管理者アカウントにサインインし、こちらのリンクにアクセスして、追加で必要な権限を承認します。
- 各権限と新しい権限の詳細については、Org-wide Install - Admin Permissions (box.com) (英語) を参照してください。
- 各TeamsテナントのテナントIDを登録フォームに記入して送信します: 登録フォーム (英語)
- Boxでの処理が完了すると通知が届きます。
手動によるTeamsの追加:
- Teamsアプリケーションの左側のナビゲーションで [アプリ] をクリックします。
- Boxを検索します。
- 以下のいずれかをクリックします。
- チームに追加
- チャットに追加
重要 -- 混乱を避けるために
アプリの検索にBoxが表示された場合、[開く] をクリックしないでください。 代わりに、隣の下矢印をクリックして、[Boxをチームに追加] をクリックします。
重要
このように組織に対してBox for Teamsを有効にすると、実際にはチームごとにインストールされます。 統合をインストールするのはチームのメンバー1人だけで十分です (どのチームのメンバーでもかまいません)。インストールした時点で、そのチームのメンバー全員が統合を使用できるようになります。
ステップ4(b): 事前にBoxアプリケーションをTeamsにピン留めする
- 実行内容: すべてのユーザーのTeamsアプリケーション内でBoxアプリを自動的に展開し、簡単に使用できるようにします。
- 実行担当者: Microsoft Teamsの管理者
- 実行結果: デスクトップ版のTeamsの左側にBoxアプリがピン留めされ、メッセージング拡張機能にもBoxがピン留めされます。これにより、組織内のすべてのユーザーが簡単にBox for Teamsにアクセスできるようになります。
Microsoftのアプリのセットアップポリシーにより、管理者はテナント内のすべてのユーザーに対して事前にBoxアプリをピン留めできます。Teamsユーザーには、以下の場所にピン留めされたBoxアプリが自動的に表示されます。
- アプリバー。これは、デスクトップ版のTeamsクライアントの左側やモバイル版のTeamsクライアント (iOSおよびAndroid) の下部に表示されるバーです。
- メッセージ作成領域の下部にあるメッセージング拡張機能領域。
注
事前にピン留めするには、Teamsにアプリのセットアップポリシーが必要です。この手順では、テナント内のすべてのユーザー向けに新しいポリシーを作成するか、既存のポリシー (テナント内のすべてのユーザーにすでに適用されているポリシー) を更新するかを選択できます。
TeamsにBoxアプリを事前にピン留め:
- Office 365管理者としてMicrosoft Teams管理センターにログインします。
- [Teamsのアプリ] > [セットアップポリシー] に移動します。
- 以下のいずれかを行います。
- アプリのセットアップポリシーを新しく作成し、その新しいポリシーにBoxアプリを追加する
- 既存のアプリのセットアップポリシー (テナント内のすべてのユーザーに適用されているポリシー) を編集し、Boxアプリをポリシーに追加してポリシーでユーザーのピン留め設定を有効にする
- アプリのセットアップポリシーを新しく作成し、その新しいポリシーにBoxアプリを追加する
- アプリのセットアップポリシーを新しく作成した場合は、そのポリシーをテナント内のすべてのユーザーに割り当てます。
ポリシーの編集または割り当て完了後、変更が反映されるまでに数時間かかる場合があります。
ユーザーはBox統合を使用できるように、その統合に対して認証を行う必要があります。
注 - 事前のピン留めが有効になっていない場合
アプリをアプリバーにピン留めすると、アクセスしやすくなります (アプリをピン留めする手順については、Box for Teams統合の使用を参照してください)。チャネルメンバーの誰かがこれを行うと、チャネルメンバー全員が [Boxファイル] タブを使用できるようになります。
組織のユーザーに表示される情報
Box for Teams統合全体をインストールしている場合、組織のユーザーには以下の項目が表示されます。
- 基本機能を説明するウェルカムメッセージ
- ファイルのアップロード/共有用Boxアイコン (Teamsのメッセージボックス下部拡張トレイ内)
- ユーザーが属する特定のチームチャネルに関連付けられた全コンテンツへのアクセス用 [Boxファイル] タブ
統合が直接チームとチャネルにインストールされていない場合、ユーザーは省略記号 (…) をクリックしてアプリケーショントレイアイコンを表示してから、[Box] をクリックする必要があります。
次に、[Box] をクリックすると、Boxからサインインを要求されます。
関連リンク
Box for Microsoft Teams - 以前のバージョン