ファイルリクエストを利用すると、Boxアカウントを持たないユーザーに対しても、迅速かつ安全にファイルとメタデータをリクエストして入手できるようになります。 ドラッグアンドドロップで簡単に操作できるグラフィックインターフェースを使用して作成したウェブフォームでは、以下のことが可能になります。
- フォルダにコラボレータを追加することなく、ユーザーに対してファイルを安全にリクエスト
- 必須/任意の設定ができるメタデータ属性フィールドを使用し追加情報を収集
- リンク設定で追加のセキュリティおよびメールの検証が可能
- Box Relayを使用して自動化ワークフローを開始
この記事では、ファイルリクエストを使用して、誰でもコンテンツのアップロードや追加のファイル情報を提供したり、自動化されたワークフローを開始したりできるウェブフォームを素早く作成する方法について説明します。
注
- ファイルリクエストフォームを作成するには、Box Businessプランのアカウントが必要です。 ただし、完成したフォームにアクセスしてコンテンツをアップロードする場合、Boxアカウントは必要ありません。
- 外部コラボレータは、コンテンツの共同所有者または編集者であっても、ファイルリクエストリンクを作成できません。
ファイルリクエストフォームの作成
シンプルなファイルリクエストフォームの作成に時間はかかりません。 ファイルの詳細や複数の種類のファイルを収集する場合は、少し時間がかかります (詳細は後で説明します)。 ただしその場合でも、手順は簡単です。
- 収集するコンテンツを格納するBoxフォルダを決定します (使用できるのは、自分が所有者、共同所有者、または編集者であるフォルダのみ)。
- フォームとデフォルトの「アップロード用フィールド」(ユーザーがドラッグアンドドロップでファイルをアップロードするフォーム内の領域) にタイトルを付けます。
- 必要に応じて、追加のアップロード用フィールドやファイルメタデータ (サイズ、作成日、その他収集したいメタデータ属性) などの詳細を取得するために、事前構成済みのフィールドを追加します。
- 必要に応じて、フォーム上のフィールドを並べ替えます。
- フォームを保存します。
- リンクのセキュリティ設定 (リンクの有効期限、コンテンツのアップローダーにBoxアカウントへのログインを要求するかどうかなど) を行ってから、そのリンクを送信してコンテンツの収集を開始します。
リンクを受け取った人が、そのリンクをクリックすると、フォームが表示されたウェブページに移動するので、コンテンツのアップロードを開始できます。 このページはBoxによってホストされます。
基本的なファイルリクエストフォームを作成するには、以下の手順に従います。
- Boxアカウントで、アップロードされたファイルを格納するフォルダに移動します。
- 次のいずれかを実行します。
- 右側の [共有] ペインの [ファイルリクエスト] で、[リンクを作成] をクリックします。
- 省略記号 (...) をクリックして [その他のオプション] メニューを表示し、[ファイルリクエスト] をクリックします。
- [ファイルリクエスト] ウィンドウが開き、コンテンツをリクエストするためにユーザーに送信するリンクが表示されます。 リンクが有効になっていない場合は、[リンクを有効にする] スライダをクリックして右に動かします。
- [編集] をクリックします。[ファイルの送信] ウィンドウが開き、デフォルトのタイトルとファイルのアップロードフィールドが表示されます。 ここからウェブフォームの作成を開始します。
- フォームの上部にタイトルを入力します。
- 明確かつ一意のタイトルにすることで、コンテンツを提供する人が求められているコンテンツを理解しやすくなります。
- デフォルトのタイトルは [ファイルの送信] です (そのまま使用することもできます)。
- リクエストするコンテンツやコンテンツの提供に関する指示を説明した1〜2文を任意で追加できます。
注
- ファイルのアップロードに関するサイズ上限は、組織が設定した上限によって異なり、このアップロード方法では最大32 GBになります。
- 一度にアップロードできるのは500ファイルまでです。
- 1つのフォルダに作成できるファイルリクエストは1つだけです。
- ユーザーがファイルリクエストを使用してアップロードできるのはファイルのみで、フォルダはアップロードできません。
フォームのタイトルの設定とリンクの準備が完了したら、リンクを送信してコンテンツの受信を開始できます。 さまざまなフィールドを追加することで、ファイルリクエストをより有効に活用できます。リンクの受信者は、追加されたフィールドを使用して、アップロードするコンテンツと共にそのコンテンツに関する追加情報を提供できるようになります。 リクエストする情報は、収集するコンテンツの使用目的 (例えば、自動ワークフローの一環として使用する、契約書などの完成した文書を監査に備えて保管する) によって異なります。
以下のことが可能です。
- コンテンツ送信者のメールアドレスを取得する (このオプションがまだ有効になっていない場合)。
- アップロードされるファイルの説明を含める。
- 複数のファイルのアップロードフィールドを追加してリクエストをシンプルかつ明確にする。
- ファイルリクエストをビジネスでより有効に活用するために、ファイルのメタデータを追加してフォームを拡張する。
さらに、追加するフィールドが必須か任意かを設定することも、フィールドの並べ替え、フィールド名の変更、説明の追加を行うこともできます。
コンテンツ送信者のメールアドレスを取得する。
コンテンツ送信者を記録するために、送信者に対してBoxへのログインを要求します。 Boxウェブアプリのインターフェースには、アップローダー名ではなく送信者のメールアドレスが表示されます。
注
このオプションがすでに有効になっている場合は、Box管理者がすでに、コンテンツのアップローダー全員に対して、ファイルの送信前に自分のBoxアカウントにログインするよう求めていることを意味します。 この場合、ファイルリクエストによって自動的にアップローダーのメールアドレスが取得され、検証されます。
アップロードされるファイルの説明を含める。
アップロードされたファイルの説明は、Boxのインターフェースでそのファイルの [詳細] セクションにある [説明] フィールドに表示されます。 コンテンツを送信する人には、バージョンや作成者の特定、状況や背景情報などの提供を自由に行うことができるため便利です。
複数のファイルのアップロードフィールドを追加してリクエストをシンプルかつ明確にする。
この機能は非常に有用です。 これにより、ユーザーに対して、ドキュメントのアップロードを関連性のあるものを大まかにまとめて行うよう求めることができます。各アップロードフィールドの説明フィールドで、それを明示します。 例えば、必須のドキュメント用と任意のドキュメント用にそれぞれ1つずつファイルのアップロードフィールドを作成して指定します。 複数のアップロードフィールドを作成してアップロードする対象を明確に指定することで、フォームに記入してドキュメントを送信するユーザーは、求められているものをよりすばやく理解して提供できます。 こうすることで、ユーザーが何をすべきかわからない、リクエストしている情報が1つも提供されないなどの理由で生じる無駄なやり取りが大幅に減少します。
ファイルリクエストをビジネスでより有効に活用するために、ファイルのメタデータを追加してフォームを拡張する。
メタデータを追加することで、受信するコンテンツをより簡単に検索および整理でき、より幅広いビジネスプロセスにおいて有効に活用できるようになります。 これにより、外部コラボレータ (クライアント、エージェント、顧客など) と内部コラボレータ (グループとチーム) から収集するすべての体系化されていないデータを制御できるようになります。 必須または任意にかかわらず、さまざまなメタデータを受け入れるようフォームを設定します。 こうすることで、アップロードされたファイルは、金額、クライアント、ステータス、業界などの事前に構成済みの属性に基づいて処理されます。
重要
メタデータをリクエストするには、メタデータが企業ですでに有効になっている必要があります。 メタデータテンプレートの作成と操作の詳細については、この記事の最後にある関連リンクセクションを参照してください。
ユーザーに送信してほしい追加情報とファイル属性を指定するには、以下の手順に従います。
- 前述の手順に従って基本のフォームを作成します。
- [ファイルリクエスト] ウィンドウの下部で [フィールドを追加] をクリックします。画面下部にさらにボックスが表示されます。 これらのボックスのいずれかまたはすべてをクリックすると、追加情報を入力するためのフィールドが表示されます。
- メールアドレスをリクエストするには、[メールアドレス] をクリックします。フォームにメールアドレスのフィールドが表示されます。
- このフィールドは一度だけ追加できます。
- 送信するファイルの説明を入力してもらうには、[ファイルの説明] をクリックします。フォームにテキスト入力フィールドが表示されます。 ユーザーが説明として入力できるのは最大255文字までです。
- ユーザーがファイルをグループに分けてアップロードできるようにするには、[ファイルのアップロード] をクリックします。ファイルをドラッグアンドドロップするためのアップロードフィールドが追加されます。
- アップロードフィールドは必要なだけ追加できますが、多すぎると混乱を招く可能性があります。
- 受信するコンテンツを細かく整理して処理したり、受信するコンテンツを使用して自動化されたワークフローを開始したりできるようにするには、[メタデータ] をクリックします。[メタデータを選択] ウィンドウが開き、組織の既存のメタデータテンプレートのリストが表示されます。
- ウィンドウの左側で、使用するテンプレートをクリックします。ウィンドウの右側に、選択したテンプレートのフィールド (ファイル属性) が表示されます。
- 使用する属性のチェックボックスをオンにします。 [フィールドの追加] をクリックします。チェックボックスをオンにした属性のフィールドがフォームに表示されます。
- デフォルトでは、すべてのメタデータフィールドが必須です。フィールドを「任意」に設定するには、該当するフィールドをクリックして強調表示します。 その後、省略記号 (...) をクリックして [その他のオプション] メニューを表示し、[必須フィールドに設定] のチェックボックスをオフにします。
- (オプション) フィールドに説明を追加します。 これには、該当するフィールドをクリックして強調表示します。 その後、省略記号 (...) をクリックして [その他のオプション] メニューを表示し、[説明の追加] のチェックボックスをオンにします。 該当するメタデータフィールドと共に説明フィールドが表示されます。
- このフォームを保存した後で、他のメタデータフィールドを追加する場合は、もう一度 [フィールドを追加] > [メタデータ] をクリックして、最初に追加していないメタデータ属性を表示します。 これにより、例えば、リクエストしている情報とその情報が必要な理由を明確に説明することができます。 説明フィールドは任意または必須に設定することもできます。
- フォームが完成したら、画面の右上にある [保存] をクリックします。
注
1つのファイルリクエストに使用できるメタデータテンプレートは1つだけです。
次に、フォームをプレビューして、意図したとおりに作成できているかを確認します。 必要に応じて並べ替えや変更も可能です。 問題がなければ、リンクのセキュリティ設定を構成してから、ファイルリクエストリンクを該当のユーザーに送信します。
フォームをプレビューするには、以下の手順に従います。
- 画面の右上で [プレビュー] をクリックします。作成したファイルリクエストフォームのプレビューが新しいタブに表示されます。これは、ファイルを送信する人に表示されるフォームとまったく同じです。
- フォームに問題がなければ、[ファイルリクエスト] ウィンドウに戻ってリンクをコピーします。
- 変更を加える場合は、下記を参照してください。
フォーム上のフィールドを並べ替えるには、以下の手順に従います。
- ファイルリクエストフォームを再度表示します。
- フォームの順序を変更する (フィールドを上下に移動する) には、移動するフィールドの隣にある上下矢印のアイコン (
) をクリックしたまま、フォーム内の希望する位置にそのフィールドをドラッグします。
- 別のフィールドを追加するには、最初にフォームを作成したときと同様に、画面下部で [フィールドを追加] をクリックします。
- フォームからフィールドを削除するには、省略記号 (...) をクリックして [その他のオプション] メニューを表示し、[削除] をクリックします。
注
[削除] をクリックすると、フィールドは即座に削除されます。 フィールドを誤って削除してしまった場合には、フィールドを再度追加することができます。
また、既存の使用中のフォームを変更することも可能です。 ファイルリクエストが含まれるフォルダに移動し、省略記号 (...) をクリックして [その他のオプション] メニューを表示し、[ファイルリクエスト] をクリックします。 [ファイルリクエスト] ウィンドウが開いたら、[編集] をクリックします。 必要な変更を加え、[保存] をクリックします。 リンクは引き続き機能します。唯一の違いは、変更した後にこのリンクをクリックしたユーザーには、変更後のフォームが表示されます。
リンク設定を構成して送信者のメールアドレスを取得する
最後に、リンクのセキュリティ設定を確認します。 その手順は以下のとおりです。
- 画面の右上で、[共有] をクリックします。 [ファイルリクエスト] ウィンドウが表示されたら、下部にある [設定] をクリックします。[設定] ウィンドウが表示されます。
- 管理対象ユーザーに対してファイルの送信前にBoxへのログインを求めるには、[アップローダーにBoxへのログインを要求する] スライダをクリックして右に動かします。
- このボックスを使用できない場合は、Box管理者がコンテンツのアップローダー全員に対して、ファイルの送信前に自分のBoxアカウントにログインするよう求めていることを意味します。この場合、ファイルリクエストによって自動的にアップローダーのメールが取得され、検証されます。 Boxウェブアプリでは、ファイルのプレビュー画面で [詳細] セクションの [アップローダー] にその情報が表示されます。
必要に応じて、リンクをコピーして送信します。
重要
通知の設定をしていないと、コンテンツがアップロードされても、通知されません。 通知を受け取るには、フォルダの設定に移動し、[次の場合に通知を受け取る] の [アップロード] チェックボックスをオンにします。
ファイルリクエストリンクの有効化および無効化
ファイルリクエストを定期的または限られた期間のみ利用できるようにする場合は、基本的にファイルリクエストを無効にします (再度使用するたびに有効にすれば、作成し直す必要がありません)。 これは、入札提出期限を設ける場合や毎月第1週目にレポートを提出してもらう場合などに便利です。 そのためには、ファイルリクエストフォームへのリンクを無効にします。
ファイルリクエストリンクを無効にするには、以下の手順に従います。
- ファイルリクエストリンクが設定されたフォルダに移動します。
- 省略記号 (...) をクリックし、[その他のオプション] メニューを開きます。
- [ファイルリクエスト] をクリックします。
- [リンクを有効にしました] スライダをクリックして左に動かします。
- ウィンドウを閉じます。
既存のウェブページへのファイルリクエストの埋め込み
コンテンツを収集するためだけに新しいページを別途作成するのではなく、大きなウェブページ内にファイルリクエストを埋め込む方が望ましい場合があります。 例えば、会社のイントラネットページ内にフォームの配置が必要な場合が考えられます。 この場合は、ファイルリクエストから埋め込みウィジェットを作成することができます。
ファイルリクエストから埋め込みウィジェットを作成するには、以下の手順に従います。
- ファイルリクエストリンクが設定されたフォルダに移動します。
- 省略記号 (...) をクリックし、[その他のオプション] メニューを開きます。
- [ファイルリクエスト] をクリックします。 [ファイルリクエスト] ウィンドウが開き、リンクが表示されます。
- リンクの右にあるコードボックス (
) をクリックします。これにより、HTMLコードがクリップボードにコピーされます。
iFrameが作成されるので、必要に応じてコピーしたコードを使用できます。
Box埋め込みウィジェットの使用の詳細を参照してください。
リクエストを完全に削除することもできます。
ファイルリクエストフォームを削除するには、以下の手順に従います。
- ファイルリクエストリンクが設定されたフォルダに移動します。
- 省略記号 (...) をクリックし、[その他のオプション] メニューを開きます。
- [ファイルリクエスト] をクリックします。[ファイルリクエスト] ウィンドウが開きます。
- [編集] をクリックします。 ファイルリクエストフォームが表示されます。
- フォームの上部で、省略記号 (...) をクリックします。
- 表示されるメニューで、[削除] をクリックします。
注
ファイルリクエストフォームへのリンクは、無効にした後に削除することもできます。
ファイルリクエストとセキュリティ
悪意のあるコンテンツによるリスクを軽減するために、組織が「匿名」でのアップロードを禁止して、セキュリティレベルを高める場合があります。 このような場合、ユーザーまたはBox管理者は、ファイルリクエストを使用するファイルの送信者に対してBoxアカウントへのログインを要求することができます。 管理者によってBoxアカウントへのログイン要求が組織全体に導入されている場合、作成するファイルリクエストフォームには必ず、ファイルの送信者が自分のBoxアカウントにログインする (Boxアカウントがない場合はサインアップする) ためのリンクが含まれます。 管理者以外のユーザーがこれを無効にすることはできません。 管理者がこれを有効にしていない場合は、新しいファイルリクエストを作成するたびに、手動でBoxアカウントへのログインを要求することができます。
いずれの場合も、ファイルリクエストは、送信者のBoxアカウントに関連付けられたメールアドレスを取得し、アップロードされるコンテンツにそのメールアドレスを関連付けるため、送信者のIDを常に確認することができます。 これにより、次のことが可能になります。
- アップロードが適切なユーザーによって行われたことを保証する。
- 入力されたメールアドレスが正しいことを確認する。
ファイルリクエストフォームを削除すると、復元することはできません。 後で必要になった場合は、再度作成する必要があります。
注
ファイルをアップロードするユーザーのBoxセッションがすでにアクティブな場合は、再認証を行う必要はありません。
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